急性腰痛症(ギックリ腰)の施術について

患者さんの中には、何も重いものを持ち上げていないのでギックリ腰ではないとお考えになる方もいらっしゃいますが、何も持ち上げていなくても痛みが急に出るものを、何もしていないのに朝起きたら腰が痛かったというもの等を急性腰痛症と云います。
では、その原因は何か?正直腰が痛いから腰を施術すればいいんでしょう?というような短絡的なものではありません。本来は何が原因なのか?万が一の事象を避けるために整形外科でX線(レントゲン)だけでなくMRIを受診するのが望ましいです。
それらの検査をもってしても、原因特定出来るのはわずか15%と言われています。その残り85%は所謂『骨にも筋肉にも異常は見つかりませんでした。原因は分かりません』というものです。しかしその診断があるからこそ、我々鍼灸や手技による施術をする者が、いろいろな角度からアプローチをして症状の減少や消失が出来る可能性があるのです。
腰が痛いから腰を施術する。これでは、症状の改善はなかなか望めません。急に腰が痛くなる本当の原因は人により様々です。当院が腰痛治療に特化しているのはその見極めがしっかりと出来、尚且つ最適な施術(整体・鍼灸・インディバ)をするからです。
ギックリ腰で来院(杉並区在住の40代男性)
症状と来院理由

今回の症状は走っている最中やその他日常の中で『ギクッ!』とやってしまったわけではなく、朝の通勤時走り終えて着替えも済ませた後仕事を何事もなくこなしていたそう。しかし途中から徐々に腰に違和感が出てきて最終的には痛くて立ち上がるのも歩くのもスムーズに出来ない状態になったとの事。
あまりにも痛いので、近くの整形外科にて受診しギックリ腰と診断。その日は湿布や痛み止め等を処方され、痛みがある所に湿布を貼り、痛み止めを飲んで就寝。翌朝になっても痛みは変わらず(むしろちょっと痛みが増しているかも)な状態。
通勤時のランニングは痛すぎて行えず、その日から空いている時間を見つけて整形外科に通い、けん引や電気やマッサージを受け続けていたが、日を重ねるにつれ痛みは減少しつつあるものの一向に取れないので、いろいろ探して当院のホームページに行きついたとの事。
色々観て頂いて、当院は腰痛に特に強い治療院だという事で受診する事を決意され御連絡を頂く。来院時の歩き方や座り方を診るとそれほどきつそうな腰痛ではなさそうな印象。カルテを記入後今現在の状況などいくつか御聞きした。
御本人の希望としては1日でも早く痛みが消え、通勤時に走れるようになる事。また、1か月半後くらいにフルマラソンをエントリーしているので、可能ならばそれにも出たいとの事。何と、更に更にそれに出場するために今も着々と練習は積んでいるとの事。

マッサージで何とかなりそうだが、如何せん痛みが出てから時が経ち過ぎているので、今日の施術だけで痛みが完全消失する可能性はそんなに高くないので、複数回必要である事。また、ここが1番重要だが痛みが取れるまでトレーニングを中止することを条件に施術を開始した(笑)
治療と経過
初回

本人的にも痛みが大幅にダウンし、ほとんど気にならないレベルになっていると驚いていた。しかし、そんなに簡単には痛みは消えないと思うので、2~3日は様子を見て5~7日以内に再来院してもらう。
2回目
2回目時はかなり痛みは無くなっているものの、0ではない状況が続いているとの事。走った後は特にちょっと痛むという事(オイオイ、なぜ走っているんですか?)しかしながら、前回までの痛みにはなっていないので、今回は残った痛みを無くすことを主に施術。前回程ではないが、やはり足首の硬さが取り切れていないので、更にしっかりと緩めると可動域もかなり改善された。しかしなぜこんなに硬いのかといろいろ考えていたが、日頃から毎日走って運動している割に下肢の筋肉が柔軟性がないというか、硬過ぎる点に着目。
そりゃギックリにもなりますよという事を説明し、セルフケアの大切さやどういった事をすれば良いのかを説明。また、身体の方は主要なところをしっかりと緩めて確認してみたところ、残っていた痛みが完全に消失。前回同様に2~3日は様子を見てまだ痛みがあればもう1回来るように。
またセルフケアをしっかりとするように念を押して終了。その後痛みは無く走る事も問題なく出来ていると言う連絡を頂いた。今回は腰を痛めてからちょっと期間が空いての来院だったため、もう少し長く掛かるかと思われたが、想像していたよりも早く緩和した。
